会長挨拶

テーマ:原点回帰 —未来へ紡ぐ小児呼吸器医学の足跡と挑戦—

皆様、こんにちは。このたび、第59回日本小児呼吸器学会学術集会の大会長を仰せつかりました総合病院 聖隷三方原病院 小児科 南野初香でございます。歴史ある本学術集会を主宰させていただきますことは大変光栄であると同時に、身の引き締まる思いでございます。全国からご参加いただく会員の皆様、そして日頃から子どもたちの健やかな呼吸を支えておられるすべての関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。

今回の学術集会のメインテーマは「原点回帰(return to origin)」としました。

医療技術やデジタル化が目覚ましく進歩する現代、私たちの診療や研究の選択肢はとても豊かになりました。しかし、このように変化の激しい時代だからこそ、私たちは一度優しく立ち止まり、医療の原点を見つめ直してみたいと考えたのです。「目の前で息をきらせている小さな子と、不安に寄り添うご家族の笑顔を取り戻したい」という純粋な願い。そして、丁寧な問診や聴診、身体診察といった、患者さまと直接ふれあう臨床の基本。これら諸先輩方が大切に築き上げてこられた小児呼吸器医学の「原点」に今一度あたたかな光を当て、しっかりと足元を固めることこそが、子どもたちの未来を開く新しい一歩につながると確信しております。

いま、小児呼吸器領域を取り巻く環境は、感染症の動向の変化や慢性肺疾患への長期的なケア、アレルギー疾患の増加など、多様な課題に直面しています。子どもたちが健やかに、力強く呼吸し、それぞれの未来へと羽ばたいていけるよう、私たちが果たすべき役割はますます大きくなっています。本集会が、基本の医療の大切さをみんなで確かめ合う場となると同時に、これからの医療を担う若手医師や、優しく情熱を持って寄り添う多職種の皆様にとっても、たくさんの学びと心地よい刺激に満ちた場となることを願っております。

今回、皆様をお迎えする浜松は、豊かな自然に恵まれた、とてもあたたかく居心地の良い街です。

世界に誇る「ものづくりの街」である浜松には、伝統を重んじながらも「とにかくやってみよう!」と新しい一歩を踏み出す『やらまいか精神』が深く息づいています。また同時に、ピアノなどの製造で知られる文化のかおる「音楽・楽器の街」でもあります。

街のいたるところから心地よい音が響くこの地で、全国から集う先生方と医療の「原点」を優しく語り合い、そして『やらまいか精神』に背中を押されながら、未来に向けた美しいハーモニーを奏でるような熱活なディスカッションができれば、これ以上の喜びはございません。広大な浜名湖の景色や、皆様の元気を支える鰻、地元で愛される浜松餃子など、美味しいお食事もたくさんご用意して皆様をお待ちしております。

実り多く、そして皆様の心があたたまるような学術集会となりますよう、心を込めて準備を進めてまいります。緑豊かな浜松の地で、先生方とお会いできますことを、心より楽しみにしております。

第59回日本小児呼吸器学会学術集会 会長

南野 初香

総合病院 聖隷三方原病院 小児科

会長 南野 初香